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Interview

関口 雄生さん
AI時代を生き抜く「伝える力」を
子どもたちへ。

関口 雄生 インプロ講師(一般社団法人IMPRO KIDS TOKYO) / 教育事業ディレクター 2026.04

携帯電話の販売員やベンチャー企業での新規事業支援を経て、現在は「インプロ(即興演劇)」の講師や民間学童のスタッフとして活動する関口雄生さん。幼少期のつらい原体験から「感情を伝える力」の重要性を痛感し、子どもたちに安心・安全な自己表現の場を提供しています。既存の枠組みにとらわれず、彼自身の魅力を前面に打ち出した新たなビジネスの展望について、TOKYO LICKS主宰の権上裕介が迫りました。

"プロの人たちが集まる場所だけが現場じゃないんです。AI時代になり、情報が溢れるからこそ、たまたま発生するコミュニケーションや、本当の意味での提案力・交渉力が重要になります。子どもの時からそれを身につけさせる環境を作りたいんです。"

— 関口 雄生
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Profile

インプロ講師(一般社団法人IMPRO KIDS TOKYO)

教育事業ディレクター

新卒で携帯販売に従事した後、コンサルティング系ベンチャー企業に入社。東京都のユニコーン企業創出案件(PoC Ground Tokyo)の運営などに従事。退職後は、民間学童の契約社員として働きながら、インプロ(即興演劇)の講師やサッカー講師として子どもたちの教育に深く携わる。

とある日のスケジュール(※リアルな1日)
6:00
起床・朝ごはん・当日準備
8:30
中学校での探究授業(インプロ)
12:00
授業終了・移動・お昼ご飯
13:30
アフタースクールのインプロワークショップの準備
15:30
アフタースクールのインプロワークショップを実施
17:00
アフタースクールのインプロワークショップ終了、振り返りと実施報告の作成
19:00
帰宅
今回はお忙しいところありがとうございます。これまでのキャリアについて教えてください。 新卒で入った会社から、コンサルティング会社へ転職されたそうですね。

はい。新卒では携帯販売の店舗で働いていましたが、例えば100均で買えるようなフィルムを6,000円で売らなければならないなど、自分が本当に納得していない商材をお客様に提供する環境に違和感を抱いていました 。その後、「人の思いを形にする」という経営理念に惹かれ、知人の紹介でコンサル系のベンチャー企業に転職しました 。そこでは主に、東京都の「PoC Ground Tokyo」というユニコーン企業創出案件の運営に携わり、選定やピッチの運営、インタビュー動画の制作などを行っていました 。

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非常にやりがいのあるお仕事に見えますが、なぜ退職され、現在の教育やインプロの道へ進まれたのでしょうか?

会社に実態のよくわからないコンサルタントが入り込み、組織が内部から崩壊してしまったんです 。リクルーターチームが解散させられたり、経営陣が訴訟沙汰になったりと現場が疲弊していく中で、会社の理念と事業内容が伴っていないと感じるようになりました 。人の思いを形にする環境のはずが、自分の思いが形になっていかないことに気づき、退職を決意しました 。

現在はインプロの講師をされていますが、そこに惹かれた強い原体験があると伺いました。

はい。実は小学4年生の時、感情の起伏が原因でご飯が食べられなくなってしまった時期がありました 。親にも気を遣って、言えないことがずっと心に溜まっていたんです 。その時、初めて民間のカウンセリングに行き、自分の思いを話すという経験をしました 。その後、家族一緒にカウンセリングに行き、両親のわだかまりも解消されて家族の絆が深まったんです 。インプロの「安心・安全でチャレンジできる環境」や、「アイメッセージ(私はこう思った)」を使って自分の感情を伝えるワークは、私のその原体験に強く結びついています 。

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素晴らしい活動ですが、現状の働き方には厳しい課題もあるそうですね。

現在は学童の契約社員としての勤務が8割強で、残りの時間でインプロやサッカーの講師をしています 。インプロの活動は、90分のクラスに対して事前準備や事後報告、茨城までの往復の移動時間などを含めるとかなりの稼働になりますが、報酬はどれだけやっても1回3,000円程度で頭打ちになっています 。私だけでなく他の講師も疲弊しているのが実情で、生活を豊かにしていく難しさを感じています 。

そこで今回、TOKYO LICKSの支援のもと、関口さん個人をフロントに立てた「Bizページ」を展開していくことになりました。どのようなサービスを提供していく予定ですか?

インプロという既存の枠組みや団体名にとらわれず、私自身の原体験をベースにした「本当の意味でのコミュニケーション力・提案力・交渉力」を身につけるレッスンを、直販の形で提供していきたいと考えています 。週1回の個人レッスンと、別生徒との強制的なグループディスカッションを組み合わせるなど、ティーチングとコーチングを掛け合わせたアプローチを想定しています 。AI時代だからこそ、対人コミュニケーションの中で「伝える力」を育むことの価値を、親御さんにしっかり届けていきたいです 。

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Key Phrase

"自分の原体験から繋がっている「コミュニケーションの力」を、今度は自分が子どもたちに伝えていく。納得できる教育を、納得できる形で届けたい。"

Career Timeline
19歳 2016年
大学入学、教育学を専攻。競技フットサルチームに入団。
21歳 2018年
友人の誘いで劇団に入団。エチュードに心惹かれ、後にインプロと出会う。競技フットサルチームと劇団の活動を行いながら就活も実施。
22歳 2019年
中高社会科、特別支援教育の免許取得。上場企業にて人事部に配属、営業部での異動を経験。
23歳 2020年
劇団時代の先輩が所属するスタートアップ企業に転職。IMPRO KIDS TOKYOのラーニングプログラムを受講。
24歳 2021年
スタートアップ企業を退職。IMPRO KIDS TOKYOの講師としてインプロバイザーの活動を開始。同じ時期に民間学童に勤める。
26歳 2023年
放課後児童支援員認定資格を取得。
27歳 2024年
第2回人形町歌うま選手権ファイナリストに選出。地元、東京都中央区でインプロの輪を広げる活動を実施。
28歳 2025年
インプロバイザーを続けつつ、新たな表現活動を模索中。
Interviewer's Note 権上 裕介(TOKYO LICKS 主宰)

結論から書くと、もともと国家公務員として都道府県労働局に身を置いていた私の立場から見て、「関口さんのような方が所属し、実際に活動している」という事実そのものが、IMPRO KIDS TOKYO(インプロキッズトーキョー)という組織において、何よりも強い説得力になると感じました。

関口さんのお話を伺って確信したのは、彼が持つ「真面目さ」「丁寧な人への接し方」、そして「他人の言葉を常に大切にするコミュニケーション」です。

過去の辛い環境を振り返り、「幼少期にカウンセリングで救われた」という強烈な原体験は、自分が助けられた方法を他者に還元したいというモチベーション、そして子どもたち(それを取り巻く家族)が抱えるコミュニケーションの課題を解決したいという信念へと繋がっていると感じました。

同行したスタッフがビジネス寄りに踏み込んだ質問をした際も、丁寧な受け答えの印象が強く、その信念が揺らぐことはありませんでした。

また、関口さん自身が大学卒業後に新卒で入社した上場企業における複雑な経験や、組織の崩壊を目の当たりにしてきた経験は、彼自身の志をより強固なものにしているとも感じました。

こうした団体にありがちな「よくわからない綺麗事」はなく、素直に魅力を感じました。インプロの受講を迷っている方や、導入を検討している施設の方に対しても、私は自信を持っておすすめできます。

自身の原体験とスキルを掛け合わせた関口さんを支援し、彼のような利他的で優秀な人材が、適切に利益を生み出しながら社会へ還元できる仕組みをつくること。それこそが、私たちTOKYO LICKSのミッションであると考えています。

取材・原文 / 権上 裕介(TOKYO LICKS 主宰)